2026.5月
過半数代表者の適否
最近、労基署の臨検、判例等で、就業規則の届出意見や36協定等の当事者となる「従業員代表」の選出方法に注目が集まっています。過去には、会社に都合のよい人を会社が選出するといった事例も数多く見かけました。
総務担当者としては、どうしても手間のかかる人は避けたいと思うのが通常でしょうが、労使協定は内容が全社員に適用されるため、適正選出が望まれるところです。過半数代表者の選出をおさらいしましょう。
① 監督・管理の地位にある者でないこと
② 労基法等に規定された協定等の締結者となる者を選出することを明らかにして実施される
投票・挙手等の手続きにより選出された者であること
③ 会社の意向により選出された者でないこと
選出条件は極めて単純明快ですが、ポイントは上記②です。「締結する労使協定の内容」が明確になっていること及び社員全員の意見を聴いて決定されたことが大事です。
具体的に、どのような意見聴取に合理性が認められるのか判例で確認しましょう。
【判例1】野村不動産アーバンネット事件(東京地判令2.2.27)
就業規則の意見聴取で、従業員に「候補者を信任しない場合は、締め切りまでに所定の投票用紙を人事部に提出するよう通知した」事案です。
(判決)不適切な点は認められないとの判決
【判例2】松山大学事件(松山地判令5.12.20)
専門業務型裁量労働制の労使協定で、「選挙権者が投票しない場合は、有効投票結果に委ねたものとみなす」と通知した事案です。
(判決)有効投票の結果が出ない段階での委任は、具体的な意思表示に当たらないとの判決
【行政解釈】代表者選出の手続きは、個別の事案ごとに判断されるものであるが、回答・返信のない者を信任・同意があったものとみなす取り扱いは、代表者の指示を示す意思表示とはみなすことができない。
【実務的な方法】
① 「候補者に異論がある場合は、〇〇日までに申し出ること」と通知する。
② 返信のない者を「同意した者」として処理しないこと。
全員参加の朝礼等で挙手による選出といった方法が簡便です。
決して、会社が候補者を指定するようなことは避けてください。
