2026年2月

在職老齢年金の停止回避

今月は、在職老齢年金の誤解と年金減額事案についてお話しします。

支給停止額620,000円は、令和8年4月1日適用の額でお話しします。

【事例】

月例給与が増えたら年金停止になるので、残業を控えているという方がいます。

山本太郎さんの給与・厚生年金データは、次のとおりです。

 (1) 標準報酬月額:430,000円(賞与なし)

 (2) 老齢厚生年金月額:190,000円

 (3) 年金停止額=(430,000円+190,000円)-620,000円=0円

山本太郎さんの場合、支給停止調整額(620,000円)=標準報酬月額+老齢厚生年金月額という具合でバランスしているため、年金停止は発生していません。

では、8月に60時間残業があったため、給与が145,440円増えた場合、どうなるでしょうか。

山本さんは、72,720円(=145,440円÷2)が年金停止になると思っていました。

逆に、山本さんは、残業の半分が年金停止となると思い、これまで残業を控えてきました。

このように考えている人は結構います。

しかし、在職老齢年金の年金停止の計算は、上記(1)標準報酬月額で計算されるため、以下のような加給(上限なし)があっても年金停止は行われません。

  ① 業績手当

  ② 精勤手当

  ③ 残業手当

以上により、在職老齢年金制度の年金停止を起こさずに、より多くの給与をもらう方法は、

4月、5月、6月には一切残業せずに算定基礎届の標準報酬月額を低く抑え、7月~3月に残業代を稼ぐ ということです。

HP.R7.12月号の繰り返しになりますが、下記内容を再確認しておいてください。

① 年金をもらいながら働き続ければ、70歳までは毎年9月に、前年9月から8月までの掛金に比例した年金の見直し(加算)が行われる。

② 繰下げ加算額は、上記(2)の老齢厚生年金月額には含めません。