2024年9月

 9月1日から新たなパートさんが入社します。
今回の募集は、今までになく苦労しました。当社は、学歴に一切拘りませんが、社風とのマッチングは重要だと考えています。能力の高さは入社してみないとわかりませんので、在籍者と協調できる人か、協調できそうな人かどうかで判断しています。
応募者は少なかったものの、納得のいく人選ができました。玉手箱の開封を楽しみにしています。

判例:最大5年の有期契約が認められるか

入力作業に限った職場では、年齢とともに処理速度が落ちるので、社員の高齢化を防ぐため、5年(1年有期の4回更新)までの有期契約で人員の刷新を図りたいという気持ちが強いと思います。

判例も労働契約法第18条(無期転換)の規定との関連を踏まえて適法とする傾向が見て取れます。ただし、合理的期待権(更新を確信する要素)を抱かせてはいけな
いので、以下の点に十分留意する必要があります。
  ①当初の契約から「最長5年(1年有期の4回更新が限度)の契約」であることを明記
  ②更新時ごとに、残存期間を明記・説明し、5年超契約の期待を抱かせないこと
  ③管理職等には、5年超契約の可能性発言は控えるように指導すること
  ④特例等を設けず、一律運用を行うこと(Aさんは優秀なので5年超は不可)
上記対応が合法であるとして、クーリング期間を置いた後の契約で同様の対応が可能かも興味深いところです。
また、無期雇用の可能性が否定された職場の募集魅力があるかは疑問です。時給の高さでアピールするしかないでしょう。

世相

定年後の雇用が65歳まで義務化(制度的な実態)され、70歳までの雇用も努力義務化されている中で、高齢者の勤労意欲と健康の維持は難しい場面に出くわすことも多いと思います。

継続雇用の有期社員は、定年退職者であることだけを理由に通常の有期社員と比べ、特別な対応が必要なのかという疑問を持たれることも多いでしょう。
基本原則は、多くの会社ではあくまでも「1年の有期社員」であるにすぎないということです。したがって、次のような対応をしていくことが可能です。

【問1】健康悪化を理由に解雇できるか。
 (回答)あくまでも有期契約です。「やむを得ぬ事情」が必要とされ、普通解雇よりもハードルが高く、契約期間満了を待つのが妥当でしょう。欠勤・休職といっ
た対応があります。
【問2】休職制度があれば、休職させるべきですか。
 (回答)休職期間は、契約期間満了時に合わせた休職発令が望ましいでしょう。休職制度がなくても、欠勤を認めるか、正社員に準じて休職発令が望ましいでしょう。
【問3】健康悪化による労働条件の変更は必要ですか。
 (回答)担当業務にもよりますが、時短・勤務日減で対応可能なら、条件変更に応じるべきでしょう。業務に支障が出るなら、契約期間満了まで回復を待ち、復帰で
きなければ更新しない判断になると思います。